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ていうかセピアちゃんかわいいよセピアちゃん。
無機物萌えも備わっている私に隙は無かった!!(キリッ
冗談はともかく本文畳んでおきますね。
ハクメンは再び瓦礫しか残らぬその地に足を踏み入れた。
調査と言う名目だけではない。あの人型兵器のことが気にかかる。
いつ朽ちてもおかしくないあの兵器はまだいるのだろうか。
…いや、いることは解っていた。それがあの兵器の唯一であり全てだ。
それでも以前と変わらぬ場所にそれがいた時、ハクメンに気付き僅かに顔を上げた時変わらぬそれに幾らか安堵した。
兵器はハクメンのことを覚えて…いや、記録していたのだろう…確認のため再度認識コードを口にした。
あれからさほど日が経っているわけではないし敵意がないことを確認してまた兵器は置物同然の姿となった。
きっと何を言ったところで、何をしたところで変わることはないのだろう…戦うこと以外は。
いっそ破壊しつくしてしまえれば残酷な現実も何も知らずに済むのかもしれない。そんな考えが頭を過るが直ぐにそれはただ知る者故のエゴだと気付く。
簡単な話だ、もしあの頃の己がそんな理由で討たれてそれでよかったなどと言えるはずがない。
ほんのわずかな位置の違いでこれほど変わってしまうのだろうか。
何かが変わっていれば今ここに朽ちかけていたのは己だったかもしれないと言うのに。
ふ、とハクメンは兵器の視線の先に目をやる。
何が見えているわけでもない、いや見えていないことだってありうる。
この風景からその一点を選んでいるとは到底思えなかったが、だがハクメンはそれを見つけた。
「………花?」
視線が捉える場所に足を進めるとそれは紛れもない自然の花だった。
こんな瓦礫の山の中でそれでも咲いている小さな花。
「こんな所に…」
――イカルガは。ハクメンの言葉に応えるように兵器が言葉を漏らした。
イカルガは美しい国だ、と。人々が行き交い花が咲き誇る美しい国だ、と兵器は言う。
ハクメンはその言葉が過去形ではないことに気付いた。
この瓦礫の山をずっと視界に留めていたというのにそれでもこの兵器は国は美しいと言う。
それはただこの兵器に記録されていた言葉なのかもしれない。
人との交流など二の次三の次だっただろうこの人型兵器にそれでもインプットされているそれは、人であるならば戦う理由になりえるのだろう。
だがそれ以外何も持たぬ兵器はこの荒廃した国でまさに盲目的にその言葉を抱き続けている。
「…花は、好きか?」
他意はなかった。少しでも何かを確かめたかったのかもしれない。
問いに兵器は感情の無い顔で頷いた。
そうだと言うのならばせめて花を摘んでやろうかと手を伸ばそうとしたが、その行為は兵器の口から洩れる雑音がそれを制止した。
そのままでいい、と言うのだろうか。
それはまるで兵器自身のことを指しているようでハクメンは伸ばそうとしていた手を収めた。
やるせない思いを抱きながら兵器を振り返る。
何もしてやることは出来ないのだと改めて思い知らされた気分だった。
だが………兵器の顔を見てハクメンは息を飲む。
微笑んでいた。それはまるでハクメンが花を摘まずにいたことを喜んでいるように見えた。
気がつくとそれはいつもの無表情へと戻っていた。まるで一瞬の幻だったかのように。
だがハクメンはそれが幻だったとは思えなかった。
「…また来る」
返事は無かったが別にそれを期待したわけではない。
今度は花を持ってこよう。
喜ぶかもしれないだとか考えたわけではない、いやきっと喜ぶはずもない。そう言った感情を持ち合わせていないのだから。
それでもハクメンはそうしたいと思った、ただそれだけだった。
この瓦礫ばかりの風景を美しいと言う兵器のために。
ハクメンが去るその後姿を兵器は視界に捉えてすらいない。
だが確かに兵器は頷いていた。ハクメンの言葉に応えて。