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日々のことやら萌え日記
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たまには何か書こうとして結果がこれだよ!!

CS10水バング
CS5黄ハクメン

の二人です。余談ですがCSカラーのバング殿は初?かも。
ちょっと不思議な感じになってますが気にならない方どうぞ。




 

白い山肌を晒す山があった。
人が踏み入ることを拒むような険しい山に、その泉はあった。
泉、と呼ぶのは些か間違いなのかもしれない。
大きな音を立てる滝の下にまるで何事なかったかのように水が溜まっている。
無論流れがありその先はまた新たな滝へと繋がっているはずなのにその溜まり水は緩やかだ。
川と言うのも憚られるその泉の脇、白い大岩の上に一匹の狐が飛び乗った。
じっと目を凝らすように水面を見つめている。

「水神」

狐が言葉を発すると水面がゆらりと揺れた。
狐の見ている前でぷかり、と人が浮かんでくる。
仰向けに水に浮かんできたその目は眠っているように伏せられている。
知らぬ者が見たならば死んでいるのかと思う様な姿だがそれは人ではない。
水面に浮かんだ上半身ははっきりと見えるのにその四肢は水に溶けるように見えなくなっている。とても澄んだ水であるにもかかわらず、だ。

「水神」

狐がもう一度呼びかけるとそれはゆっくりと目を開けた。
ぼんやりとした視線で狐を確かめるとやはりゆっくりとした動作で水上に身体を起こした。
深い青の髪から滴る水を拭いもせず空にも水にも似た色の忍びのような装束に白いマフラー。
水中から離れると四肢は確かに存在していて、眠たそうに眼を擦る手には今まで見えていなかったのが不思議なほどがっしりとした手甲がつけられている。
ふわ、とあくびをひとつしてそれは狐を見やる。

「…狐か」
「いつまで眠っているつもりだ」
「…さぁ…今はいつだ…?」

惚けた返事に狐はハァ、とため息をついた。
岩から飛び降り泉に近づく、その間に姿が転変する。
泉の際に立つ頃には黄金に輝く美しい髪と鎧、顔を仮面で覆っている長い刀を背に携えた長身の男の姿へと変わっていた。

「少しは目を覚ませ」
「…難しい」

そう呟き小首を傾げ、暫くしてふむ、と零した。

「…お前が来たのは、いつだったか…?」
「何だいきなり」
「…目を覚ませと、謂うから…少し考えてみた…」
「少なくともそう最近ではないな」
「…そうは言うが…あまり此処に、人は来ないから…比べようがない」

 

 


その頃の狐は流浪の者だった。
獣にしては大きすぎる力を持て余し西へ東へと流離っていた。
そしてたまたま行きついたのがこの泉だった。
初めてここに辿りついた時のことを思い出す。
やけに澄んだこの泉で一休みしようとしたら先客がいた。
人の姿をしていたので警戒するがどうも様子がおかしい。
水の上にぷかりぷかりと浮いていた。水の流れに少しも流されずに。

『…貴様、何者だ』

人でも獣でもない気配に戸惑いながら聞くと、それは初めて狐に気づいたように起き上がり言った。

『………珍しい。狐の客だ』

そう言って笑みを浮かべたのだ。

 

 

「…数百年…ではない、と思うが…」

あの頃と変わらぬゆっくりとした口調で水神が呟く。

「数百年ではいくら私でも生きていない」
「…なら最近だな」
「貴公のように惚けた者がまさか神であるとはな」

呆れながら言うがだがこれが神であることは狐はよく理解していた。

「…神と言っても、ただ其の中の一端だ」

水神と呼ばれたそれは事もなさげにそう返した。
その名も、役割も、全てを忘れただこの場所を守る………いや、ただここに『居る』だけの存在。
水に溶け込み気まぐれに姿を見せてぼんやりと過ごしているだけだと言うのに。
この水場を守る神だ、と水神の本能が理解していて狐はただそれを感じ取って同じように理解した。
本人にはわからぬそれを以前説明してみたが水神は解ったような解ってないような顔でそうか、とだけ返した。
多分解ってはいないのだろう。だが変わらずここでこうして存在することを続けている。

「…ん…?」
「如何した」
「…狐は、何で此処にいる?」

今更な質問だった。狐の中で答えは定まっている。

「貴公が心配だからだ」

この不安定な神に水神という呼び名を与えたのは狐だった。
力が強すぎるあまり獣としての輪から外れた狐は今更何処にも交われない。
強さ故に全てを失った、だが目の前に居るのは神だ。
化生である自分より遥か高みにある存在。
例え自分の言う存在がかつての仲間のようにかき消されたとしてもよかった。
孤独に飽いていたのかもしれない。容易く消してしまいたくは無かった。
それだと言うのにこの神はひどく揺らいでいる。
存在自体がひどく淡く、今にも水に溶けていきそうな儚さ。
やっと見つけた拠り所を失いたくない。

「…心配か…そうか」

そんな狐の心情を知ってか知らずか(おそらく知る由もないのだろうが)水神はまた小首を傾げた。
何かを不思議に思った時によくやる仕草だ。
始めこそ人臭い仕草だと思ったが今は何処か虚脱していると感じる。
おそらく色々と欠落しているのだろう、この神は。
知識だけでなく、おそらく感情の類も。

「…もしかして…礼を言うべき、なのか?」

長く考え込んでようやく水神が放った言葉に狐は苦笑いした。
そんなことまでいちいち確かめねばならないのか、と。

「それは己で決めろ」

そう言うと水神はそうか、といつもの返事をして狐にぺこりと頭を下げた。



- - - - - - - - - -

あまり人と被らないように考えてたらなんだかとってもシャダイみたいになったが大丈夫か?
水神は「みずかみ」でも「すいじん」でも可だろうけどやっぱ前者だろうか「みなかみ」でもいいけど(決まってない)
狐さんは名無しの狐です。黄色は狐は譲れなかった。

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